diary

藤田嗣治展

東京都美術館の藤田嗣治展がもうすぐ終わってしまうので、閉館間際にばたばたと駆け込んだ。

私が藤田嗣治と出会ったのは、高校生の時。

2009年に行われた福岡市美術館での展示だったと思う。

 

実家ではそれはそれはやんちゃな黒猫を飼っていた。

藤田嗣治の描く猫のいたずらっぽい表情に、猫好きのまなざしを強く感じて驚き、大好きになった。

 

 

今回は展示数が100点以上と多くて見応えがあった。

おなじみの乳白色の下地の裸婦や猫はもちろんのこと、東京美術学校の卒業制作から、初期の不安げな表情の自画像、キュビズム、パリの風景、一見すると他の画家が描いたのではと思うような戦争画、晩年旅した沖縄の人々の日常など、その生涯を追憶できるようだった。

 

最後の妻、君代夫人のために作られた木箱や十字架は、愛にあふれていて見ていて涙が出そうになった。

実際夫人はその十字架を枕元にいつも置いていたそう。

祈りを捧げる夫妻とマリアが描かれた「礼拝」も、夫人が最後まで手放さなかった理由がよくわかった。

 

 

また次の機会も行こうと思う。

今度はフェルメール展がとても楽しみ。