野葡萄のこと
そろそろかな、と思い、様子を見に行った。
先月、駅からの帰り道のわき道の茂みで見つけた、野葡萄のことだ。
野葡萄はブドウ科ブドウ属で、秋になると実がグラデーションに色づいてとても鮮やか。
先月見た時は実が青かったので、色づいたらちょっとだけ切って、持って帰って飾りたいな、なんて思っていた。
結果的には、今日は少し色づいてはいたものの、全体的にはまだまだだった。
けれども、がっかりはしなかった。
それに持ち帰りたいと思っていたわりには、私は手ぶらだった。
野葡萄はわき道に自生していて、たしかに雑草で間違いないけれども、ひそかに通勤の楽しみにしている人が、ほかにいるような気がしていたからだ。
家ではチョコレートコスモスと、夏の名残のように朝顔が1輪2輪、同時に咲いている。